スタッフブログ
2025.02.28
歴史と技が生み出す美—恵林寺の黒松を訪ねて
梅がほころび、鶯の鳴く頃となりました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
日中は暖かい日が増え、お出かけが楽しくなる季節になってきましたね。
恵林寺を訪問
先日、私は山梨市にある 「乾徳山 恵林寺(けんとくさん えりんじ)」 に足を運びました。
このお寺は、夢窓疎石によって開山され、彼が作庭したと伝わる国指定の名勝庭園を有する名刹です。また、武田信玄の菩提寺としても知られています。
今回の訪問の目的は、境内にある 黒松 を拝見することでした。
そこには、まるで絵に描いたように美しい黒松が何本も立ち並んでいました。
その造形の素晴らしさはもちろんのこと、葉の色は鮮やかで勢いがあり、高い技術力の結晶ともいえるものでした。
驚いたことに、現在の庭師さんが手を入れる前は、荒れた状態だったそうです。
見事な松を目の当たりにし、私自身、あらためて技術向上への意欲が湧いてきました。
講習会
さて、今月は 宇都宮市造園協同組合 の講習会に参加しました。
テーマは 「危険樹木の調査法・対処法」 についてです。
近年、全国各地で街路樹の枯れ枝落下による事故が相次いでおり、国も全国調査を進めるなど、対策に乗り出しています。
その背景には、高度経済成長期に植樹された街路樹の老齢化があるのではないか、とも指摘されています。
とはいえ、こうしたリスクばかりが注目されがちですが、街の樹木は 景観の向上・二酸化炭素の固定・大気汚染の改善 など、私たちの社会や環境に多くの恩恵をもたらしてくれています。
田村緑知苑 でも、市内の公園や街路樹の管理を担当しております。
今後も危険木や枯れ枝を早期に発見し、リスクを最小限に抑えながら、自然と調和した環境づくりに努めてまいります。